Nicolini Malvasia '20

ニコリーニ
マルヴァージア


【作り手について】
港町ムッジャは紀元前8世紀ごろには砦(要塞化された村)が作られ、その後も西ローマ帝国をはじめ様々な民族や国家の干渉を受け、統治されてきました。
1420年にヴェネツィア共和国の一部となり、1797年のヴェネツィア滅亡後、オーストリア帝国の統治下に入り第二次世界大戦後まで海軍造船業の重要な拠点として繁栄しました。
ニコリーニは、そんなムッジャの港から続く急な坂道を上がった高台の住宅街にある小さな家族経営のワイナリーで、彼らの畑も街を見下ろす丘の上に位置しています。
イストリア半島のほとんどの地域と同じく、貝殻などの海洋堆積物が豊富な肥沃な粘土質と砂岩が混じった土壌からなる畑は約2ヘクタールの広さで(家族のための菜園が0.5ヘクタール、ブドウが1.5ヘクタール)、化学的な農薬に頼らない形で栽培を行っています。
ブドウの平均樹齢は25年でこの地域の気候や土地をより表現できるのは伝統的な土着品種(※)であるという考えから、数本残っていた樹齢100年を超えるブドウ樹から株分けし、単一で醸造をできるまでに徐々に収穫量を増やしてきました。
コンパクトなセラーで使用される二酸化硫黄は最低限のみで、伝統的かつシンプルな仕込みを心掛けています。

【ワインについて】
マルヴァジーア・イストリアーナは、ギリシャのペロポネソス半島の小島モネンバシアが起源とされ、ギリシャから陸伝いにフリウリに伝播した、香り華やかなブドウ品種。
1300年代にはフリウリの南部で広く栽培されるようになり、今ではヴェネト、エミリア・ロマーニャ、サルデーニャ、トスカーナと様々な地域で栽培が行われている。
同じマルヴァジーアであっても、アロマティカ・ディ・カンディアはギリシャのクレタ島(昔の呼び名がカンディア)から海伝いにシチリアへ伝播したと考えられている。
イストリアーナは、「イストリアの」又は「イストリア人」という意味で、現在クロアチアとなった旧ユーゴスラビアのイストリア半島の人々が好んだブドウとしてマルヴァジーア イストリアーナと名付けられた。

マルヴァジーアで複数のワインを仕込んでいるが、フラッグシップにあたるこのワインに使われるブドウは海抜180mの畑、平均樹齢約30年のもの。
除梗後木製の開放醗酵槽に入れ、36〜48時間のマセレーションとアルコール醗酵、ステンレスタンクで8ヶ月醗酵の続きと熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。
二酸化硫黄は移し替えのタイミングで極少量のみ添加。瓶内で1年間ほど熟成させてからリリースされる。


イタリア/フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア
マルヴァージア・イストリアーナ
販売価格 5,000円(税込5,500円)
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