カリーム・ヴィオネ　
シェナ　キュベ・ノエミ


【作り手について】
カリーム・ヴィオネのヴィニョロン人生のスタートは 1990 年、ジャン・ポール・テヴネの兄のドメーヌで働き始めたのが最初だった。
そこで畑の仕事から醸造まで全てを任されていたが、当初からビオロジックに関心のあった彼は、方向性の違いから2000 年にドメーヌを去る。
あらためてビオロジックに専念しようと決意しボジョレーの醸造学校に通いつつ、マルセル・ラピエールやジャン・ポール・テヴネ、ギィ・ブルトンというヴァンナチュールきっての大御所たちの右腕となり、次第に体でヴァンナチュールをマスターしていく。
2005 年に、人材派遣というかたちで（当時、彼が自ら起ち上げた労働サービス会社）ギィ・ブルトンのドメーヌに入り、畑から醸造まで全て担当した。
地元では彼を知らない人がいない人気者、カリームおじさん。
本当に美味しい、ボージョレのワインを世界中に届けたい！

【ワインについて】
今回2回目のリリースとなるキュヴェ・ノエミ。
カリームのシェナとの違いは、カリームが南西の畑に対しノエミの畑は北向き、また、カリームの畑が小石（ガレ・ルレ）の多い土の密度の高い泥土の砂地に対し、ノエミの畑は水はけの良い砂地と、ヴィエーユ・ヴィーニュでもエレガントなワインに仕上がりやすい特徴がある。
そこに加えて、ノエミが 100％醸造しているからなのか、このワインには、カリームのワインにはないブドウの果皮や果肉が溶け込んだまるでスープのような濁り感のある優しいテキスチャーがあり、これがキュヴェ・ノエミの個性となっている。
今回の2020年も、前年よりさらに果実味のまろやかさが増し、その染み入るような柔らかさと鉱物的なミネラルとのコントラストがとても官能的。
カリームの仕込むワインも美味しいが、ノエミはひょっとしたら次世代のボジョレーを牽引するもっと大きな才能を持っているかもしれない。そんな片鱗さえ感じるセンス抜群なワインだ。


フランス/ボージョレ
ガメイ